福山雅治のANNへのゲスト出演は、初対面とはいえ、中島みゆきにとっては「昔取った杵柄」、ニッポン放送のANNのスタジオという「地の利」もあってか、例のハイテンションのしゃべりも復活。息の合った楽しいやり取りだった。
内容的に興味深かったのは、やはり曲作りや歌についての話題である。
- 曲のストックはたくさんあるが完成形はほとんどなく、大半がスケッチ
- 「荒野より」も、原型ができたのは14,5年前
- 完成形に至るまでには何度も試行錯誤を経ているので、ライブで歌う時には思わず古いバージョンの歌詞が出てきて、結果的に「歌詞間違い」になる
- 一か月後に迫った夜会も、なかなか歌詞や台詞が覚えられないので、成田から海外へ逃走しようかと思っていたが、福山さんも覚えられないのは同じと聞いて、とても安心した
等々、年季の入った「保護者目線」(^^;)のファンの一人としては、思わず「やっぱりな」と、うなずかされる話が多かった。
それと、書き落としてはならないのは、 (私自身もデータを調べるときなどにいつも大変お世話になっている) 「中島みゆき研究所」管理人さんからの切実なメール。
ファン仲間でいつも話題になり、心配しているのは、みゆきさんのライブは夜会が中心になって、コンサートツアーはやらなくなってしまうんだろうか、ということです。特に地方のファンにとっては、ツアーはみゆきさんに会える貴重な機会なので……
中島みゆきのお答えは (いつものごとく) 韜晦気味ではあったが、まずは コンサートツアーも、夜会に対し、自由なMCがしゃべれる「宴会」として必要ということのようで、安心した方も多かったのではないだろうか。
さしもの福山雅治も、大先輩(?)を前にしてやや緊張していた感も否めなかったが、以前に「『龍馬伝』と中島みゆき (1)」でも少し書いたように、この二人の間には、世代やキャリアの内容の違いを超えた共感とでもいうべき、不思議な「縁」の存在を感じさせないでもない。